| 企業名 | 株式会社パーキングマーケット様 |
|---|---|
| 面積 | 141.22坪 |
| 施設用途 | オフィス |
| 施工内容 | 改修 |
| エリア | 東京都千代田区 |
創立20周年という節目を迎えたパーキングマーケット様は、これまでの歩みを振り返ると同時に、これからの働き方にふさわしいオフィス環境の再構築を目指されました。
その中心に据えられたのが、「人と人が活かし合うオフィス」というコンセプトです。
この言葉には、従業員一人ひとりの個性や能力を最大限に引き出し、互いの強みを掛け合わせることで、より高い成果を生み出すという強い想いが込められています。
従業員数の増加やハイブリッド勤務の定着、フリーアドレスの導入など、働き方が大きく変化する中で、現状のオフィスレイアウトや設備ではその理想を十分に支えきれない状況が生まれていました。
さらに、コロナ禍を経て進んだ業務のデジタル化は、働く場所の自由度を高める一方で、出社率の低下により、日常的な相談や雑談といった“ちょっとしたコミュニケーション”が減少。社内のつながりが希薄になってしまうという新たな課題も浮き彫りになっていました。
こうした背景のもと、オフィス改装プロジェクトは、「良好なコミュニケーションが自然と生まれる場」を創ることを主軸に、空間設計が進められました。

都心部の街並みを表現した空間で、高層ビルがそびえる緑地公園や郊外といった様々な場所が、幹線道路で結ばれているようなイメージを全体にわたって表現しています。

『執務室』
都心部から郊外へとつながる道路をイメージした床の貼り分けデザインの執務室です。視界を遮る壁を最小限にし、シーンやエリアごとに床を貼り分けることで、空間の使い分けを自然に促します。

『Open Meeting(ガレージ)』
エントランスから執務室へつながる通路沿いには、郊外の住宅地にあるガレージをイメージしたオープンな個別ブースを設置しました。執務室から視認できる位置にあるため、気軽なミーティングスペースとして活用されています。

『マグネットエリア』
複合機、文具品、パントリー機能を集約したマグネットエリアです。象徴的な柱を中心にフリー席も設け、部署間の交流を促し、自然なコミュニケーションが生まれる「つながる」空間を構成しています。
空間の分断を極力避け、視線の抜けや動線の広がりを意識することで、オフィス全体に“つながり”を感じられる構成としています。
また、駐車場事業を基盤とする企業であることから、「駐車場」をデザインの起点とし、そこから「街」へと広がっていくイメージを空間に反映しました。
ミーティングスペースには“ガレージ”の要素を、通路には“道路”や“石畳の街路”を模した演出を施し、来客スペースには都市の街並みをイメージした会議室を配置。執務エリアと来客エリアを“道路”でつなぐことで、オフィス全体が社会とつながる「街」のような構成となっています。
このデザインは、企業の事業内容や文化を空間に落とし込むことで、働く人々が誇りと愛着を持てるオフィスを目指したものです。
今回の改装は完成形ではなく、今後の成長や働き方の変化に応じて柔軟に進化できる“生きた空間”として設計されています。