従業員が快適に働けるオフィスは、業務効率や生産性の向上につながります。オフィスレイアウトの種類はさまざまで、現代的な働き方ができるレイアウトや、自社の方針や働き方に合ったレイアウトを選ぶことが重要です。
今回は、オフィスのレイアウト変更を検討している方に向けて、レイアウト変更の流れや、デスクレイアウトの主な種類などを解説します。
また、オフィスのレイアウト変更にかかる費用相場や、レイアウト変更を依頼する業者の選び方もご紹介します。
オフィスのレイアウト変更とは?実施する目的・メリット
オフィスのレイアウト変更の内容は、オフィス什器を移動させるだけの小規模な変更から、ゾーニングを組み替えるような大規模な変更までさまざまです。まずは、オフィスのレイアウト変更を実施する目的と、それにより得られるメリットを見ていきましょう。
業務効率化・生産性向上につながる
オフィスのレイアウトを変更すると、業務効率化と生産性向上につながります。たとえば、クリエイティブな仕事内容ならば、ほかの従業員と隔離したレイアウトに変更すると、仕事に集中しやすくなるでしょう。レイアウトをはじめとするオフィス環境は、個人の業務の良し悪しを左右する要素のひとつになります。
社内コミュニケーションの活性化につながる
レイアウト変更により、従業員同士の接点が増えると、社内コミュニケーションの活性化につながります。日本のオフィスに多いのは島型のデスクですが、これは同じ島同士で交流しやすい一方、ほかの島の従業員とは交流しにくいことが欠点です。会社に合ったレイアウトに変更すると、交流をさらに活性化させられます。
以下の記事では、社内コミュニケーションの重要性について解説しています。社内コミュニケーションについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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ブランディングになる
レイアウトのデザイン性を高めると、企業のブランディングにも役立ちます。おしゃれなレイアウトのオフィス写真や映像を発信すると、顧客や消費者から好印象を持たれる可能性が高いです。これが自社の商品やサービスのユーザー増加につながり、業績が向上する場合があります。
エンゲージメント向上につながる
従業員の意見や希望を取り入れたオフィスレイアウトに変更すると、従業員のエンゲージメント向上にもつながります。従業員が快適に働ける環境を整えることにより、自社への愛着が深まり、定着率の向上を見込めます。
【全8手順】オフィスのレイアウト変更の流れ
オフィスのレイアウト変更の流れは、以下の8ステップです。
<オフィスのレイアウト変更の流れ>
①目的・コンセプトや予算を決める
②依頼する業者を選び、契約する
③レイアウトを決める
④スケジュールを立て、告知を行う
⑤オフィス什器の廃棄・発注をする
⑥事前準備を行う
⑦レイアウト変更を実施する
⑧効果検証、必要に応じて調整する
目的の決定からレイアウト変更当日までにかかる期間の目安は、最低でも2~3ヶ月程度と考えましょう。余裕を持ったスケジュールを組むことが、失敗せずにレイアウトを変更するために重要なポイントです。
①目的・コンセプトや予算を決める
まずは自社の課題を洗い出し、レイアウト変更の目的を決めます。現場の事情をよく知る社員の意見も、アンケートなどを用いて調査するのがおすすめです。
目的の明確化に合わせてコンセプトを決定すると、計画がぶれにくくなります。必要な部屋構成や座席数を考えたうえで、レイアウト変更に割く予算も決めましょう。
②依頼する業者を選び、契約する
オフィスレイアウトの変更を依頼できる業者を選んで、契約します。小規模な変更であれば自社の担当者のみで対応できますが、ゾーニングを組み替えるような大規模な変更の場合は、計画や作業を業者に依頼するのが一般的です。
レイアウト変更では、什器の位置変更をはじめ、以下のような工事が行われます。
<レイアウト変更で行われる作業>
・什器の位置変更
・物流作業
・配線移動作業
・電話機設定
・その他、関連する付帯工事
これらの実績が豊富な業者に依頼すると失敗しにくく、スムーズです。
③レイアウトを決める
依頼する業者と話し合いを進めながら、レイアウトを決定します。ここで、とくに重要なポイントとなるのは、動線です。以下のポイントを意識すると、従業員がスムーズにオフィス内を移動できます。
<オフィスのレイアウト変更で意識すべき動線>
・従業員同士がすれ違いやすいように広いメイン通路を確保する
・立ち往生しないように行き止まりをなくす、抜け道を作る
・遠回りせずに済むように、目的地までの最短距離を確保する
・双方の邪魔にならないように、従業員と来客の動線を分ける
④スケジュールを立て、告知を行う
レイアウトの変更は休日に行うことが一般的ですが、施工中はオフィスの一部または全体が使えなくなる可能性があるため、社員への告知が必要です。また、オフィスの一時移転などがある場合は、社外への告知も必要になるため、スケジュールが確定したら取引先などの各所にも連絡しましょう。
⑤オフィス什器の廃棄・発注をする
レイアウト変更に伴い、処分や購入、新調するものがあれば、オフィス什器の廃棄・発注を依頼します。ただし、最小限の費用でレイアウト変更を実現させるために、何でもかんでも新しいものに買い替えることは避けましょう。使えるものは、そのまま使うのがおすすめです。
株式会社オフィス ラボでは、新規什器がない転用だけのレイアウト変更を得意としており、高いコストパフォーマンスでオフィスのレイアウト変更ができます。物流作業などの付帯工事も、必要に応じてワンストップで実施できるため、コストパフォーマンス重視の方もご相談ください。
⑥事前準備を行う
レイアウト変更に向けた計画が整ったら、実行に向けて事前準備を行いましょう。ポイントは、次の4点です。
<事前準備のポイント>
・移動する什器にナンバリングをする
・新しいレイアウト図に什器の移動先の番号を記す
・レイアウトを変更するデスク上の書類や小物をダンボールに梱包する
・データのバックアップをとる
ナンバリングをしておくと、レイアウトの変更後、どこに何を移動させると良いのかがひと目でわかります。書類や小物も、梱包したダンボールに移動先を書き込んでおきましょう。また、些細な衝撃でデータが消えてしまう恐れがあるため、PCのバックアップをとることも重要なポイントです。
⑦レイアウト変更を実施する
レイアウト当日は、工事担当者などの作業員が現地に立ち入ります。基本的には、事前に定めた計画どおりにレイアウトを進めますが、オフィスの状況により微調整が必要です。
配置場所が確定したら床下の配線調整を行い、配線をデスクまで立ち上げてから機器をつないで、動作確認を行います。動作に問題がなければ、梱包したダンボールを開封し、書類や小物を元のデスクに戻して作業完了です。
施工にかかる時間はオフィスの規模によって異なりますが、壁や天井などの工事が不要な場合は、丸1日で完了する可能性が高いでしょう。それらの箇所への工事が必要な場合、工期の目安は2日~3日です。工期に応じて、週末や3連休、GW、お盆休みなどの長期休暇を利用して、工事を行います。
⑧効果検証、必要に応じて調整する
レイアウトの変更後は、一定期間にわたり効果検証を行います。レイアウト変更後の運用やルールを確立することで、レイアウト変更による効果を最大化させることが可能です。従業員からの話も聞き、不便な点や改善点などが浮かび上がった場合は調整しましょう。
株式会社オフィス ラボでは、人員の増減や働き方の変化などにも合わせて、軽微なレイアウトの調整も行います。「レイアウトの変更が原因で想定外のトラブルが発生した」「イメージどおりの効果を得られない」といった場合は、お気軽にご相談いただくことが可能です。
オフィスのレイアウト変更にかかる費用の相場
オフィスのレイアウト変更にかかる費用相場は、工事の内容に応じて次のとおりです。なお、オフィスの面積は、80坪(約264平米)を想定して計算しています。
【オフィスのレイアウト変更にかかる費用相場】
内容 |
---|
デザイン費 |
内装工事費 |
通信工事費 |
廃棄物処理費 |
梱包資材費 |
費用相場 |
20万円~50万円 |
800万円~2,400万円 |
400万円~1,600万円 |
10万円~15万円 |
500円~1,000円/個 |
工事の内容やオフィスの立地によっては、自治体による補助金・助成金を利用できる可能性があります。デザインなどを依頼する業者にも相談しながら、無駄なくレイアウト変更を行いましょう。
オフィスのデスクレイアウトの種類
オフィスのデスクレイアウトは、主に以下の7種類です。それぞれ特徴が異なるため、オフィスに求める機能を活かせるデスクレイアウトを選びましょう。
<オフィスのデスクレイアウトの種類>
・対向型(島型)レイアウト
・並列型レイアウト
・背面型レイアウト
・左右対向型レイアウト
・個別ブース型レイアウト
・グリッド型レイアウト
・自由型レイアウト
対向型(島型)レイアウト
同じ部署やグループごとに、机を向かい合わせに並べるデスクレイアウトです。デスク間の距離が近いため、部署・グループ間でコミュニケーションを取りやすく、小さなスペースにも設置できます。
ただし、対面に人がいるため、個人作業はあまり集中できません。また、別の部署やグループとのコミュニケーションを取りにくいことも、対向型レイアウトのデメリットです。
並列型レイアウト
全員のデスクを一方向にそろえるレイアウトで、学校の教室のようなイメージでレイアウトをとります。デスクの対面に従業員がおらず、視線を気にせず作業に集中できることがメリットです。
ただし、前後の従業員とコミュニケーションを取りにくくなることは、並列型レイアウトの欠点です。机を並べるために広いスペースが必要なので、従業員が多い場合もあまり適していません。
背面型レイアウト
デスクを背中合わせにして設置するレイアウトです。対面に従業員がいないため作業に集中しやすく、なおかつ振り返るだけで近くの従業員とコミュニケーションを取れるため、バランスが取れています。欠点は、チームごとに空間が仕切られることで、別の部署やグループの従業員とは連携を取りにくいでしょう。
左右対向型レイアウト
列ごとに、デスクの方向を変えて配置するレイアウトです。隣の列と横並びにならないように位置をずらしたり、パーテーションを設置したりすると、面積が小さくてもパーソナルスペースを確保できます。ただし、配線が複雑になりやすく、パーテーションなどを導入する場合は、コストがかさみやすい点がデメリットです。
個別ブース型レイアウト
それぞれのデスクをパーテーションやパネルで仕切り、パーソナルスペースを作るレイアウトです。視線を遮れるため業務に集中しやすいほか、社外秘の情報を取り扱ったり、Web会議をしたりしやすくなります。
ただし、気密性が高いため、外からはブース内で何をしているのかが見えず、トラブルに気付きにくいことはデメリットです。また、コミュニケーションを重視する業種にも、あまり適していません。
グリッド型レイアウト
スペース全体を統一されたモジュールで区画して、空間ユニットを配置するレイアウトです。レイアウトの選択肢が広く、それぞれの部署に適したレイアウトを作れるほか、入れ替えが必要になった際もフレキシブルに対応できます。
グリッド型レイアウトのデメリットは、効率的な動線を作りにくいことです。また、長い島を作りにくいため、部署ごとに異なる島に分かれてしまいます。
自由型レイアウト
文字どおり特定の型がなく、自由に設計できるレイアウトです。オフィスコンセプトに合ったレイアウトを実現できるため、先進的でおしゃれな空間を構築でき、コミュニケーションの機会も増やせます。
ただし、動線が複雑になりやすく、大量の座席を確保するのも困難です。自由型レイアウトを効率的に活用するためには、オフィスレイアウトの知識が豊富な業者にデザインを依頼しましょう。
オフィスのレイアウト変更を依頼する業者の選び方
オフィスのレイアウトを依頼できる業者は多いです。しかし、業者によってできること・できないことが異なり、実績や実力も異なります。せっかくのレイアウト変更を成功させるためには、以下のポイントを満たした業者を選びましょう。
<オフィスのレイアウト変更を依頼する業者の選び方>
・提案可能なデザインの多い業者を選ぶ
・実績が豊富な業者を選ぶ
・予算内で最適な提案をしてくれる業者を選ぶ
提案可能なデザインの多い業者を選ぶ
提案できるデザインが豊富な業者を選びましょう。オフィスレイアウトのデザインは、モノトーンなどのスタイリッシュなものから、木のぬくもりを活かしたナチュラルなものまでさまざまです。提案可能なデザインが多い業者なら、イメージに沿った施工をスムーズに行ってくれます。
実績が豊富な業者を選ぶ
豊富な実績を持つ業者は、多くのノウハウを蓄えています。業者のホームページなどを確認して、施工実績が多いかどうかを確認しましょう。また、自社と同規模のオフィスへの施工実績が多いかどうかも、チェックポイントのひとつです。
予算内で最適な提案をしてくれる業者を選ぶ
予算内で対応できる業務の幅も、依頼する業者によって異なります。予算をしっかりと汲み取ってプランを立ててくれるかどうか、予算内では理想の実現が難しい場合に寄り添った代案を提示してくれるかどうかを確認して、信頼できる業者を選びましょう。
まとめ
オフィスのレイアウトを変更すると、業務効率化や生産性向上につながるほか、ブランディングにも役立てられます。まずは目的とコンセプトを決めて、信頼できる業者に依頼しましょう。提案可能なデザインや実績が豊富な業者や、予算内で最適な予算を提案してくれる業者の利用がおすすめです。
「オフィス ラボ」では、移転を含めたオフィス改修のトータルプロデュースを行っています。レイアウト変更に伴う物流作業のコーディネートと円滑な実施サポートの実績も豊富なので、ぜひ当社にお任せください。