オフィス移転プロジェクトが発足したものの、「何から手を付ければよいかわからない」「成功させるためのポイントを知りたい」と悩んでいる担当者の方は多いのではないでしょうか。オフィス移転に伴う業務数は100以上におよぶこともあり、普段の業務と並行しながらオフィス移転を成功させるためには、ノウハウを持つ専門業者によるサポートが不可欠です。
この記事では、オフィス移転コンサルとは何かについて解説し、オフィス移転コンサルに依頼するメリット・注意点・選び方などをご紹介します。
オフィス移転コンサルとは
オフィス移転コンサルとは、オフィスの移転プロジェクトや、オフィス規模の拡大・縮小などに関連する業務を代行するコンサルタントです。オフィス移転コンサルに依頼することにより、日常業務に差しさわりなく移転プロジェクトを進めやすくなることに加えて、理想どおりのオフィス移転の実現や、オフィス移転にかかるコストの削減などが可能になります。
オフィス移転のおおまかな流れは以下のように多く、自社スタッフだけでオフィス移転を成功させるのは困難です。
<オフィス移転のおおまかな流れ>
- 移転計画の立案
- 移転先の決定、現オフィスの解約予告
- 新オフィスのレイアウト決め、施工依頼
- 備品・機器の手配やインフラの手続き
- 移転の告知
- 各機関への届け出
- 移転完了
- 各機関への届け出(移転後)
オフィス移転コンサルは、これらの手続きを総合的にサポートしてくれます。
オフィス移転コンサルの依頼先は大きく分けて2種類
オフィス移転コンサルの依頼先候補となる会社は、大きく以下の2種類に分かれます。
<オフィス移転コンサルの依頼先>
- オフィス移転専門のコンサル会社
- 専門分野があり、オフィス移転コンサルも行う会社
それぞれの特徴やメリット・デメリットをご紹介します。
オフィス移転専門のコンサル会社
オフィス移転に関するスペシャリストであり、オフィス移転に関する設計・手続き・アフターフォローなどのトータルプロデュースを行うコンサル会社です。オフィス移転専門のコンサル会社を利用するメリット・デメリットをまとめました。
【オフィス移転専門のコンサル会社のメリット・デメリット】
メリット |
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・一般的なコンサルよりも業務内容が幅広い |
・より専門的なアドバイスを受けられる |
・アフターフォローにも対応する場合がある |
デメリット |
・費用がやや高額な場合がある |
・打ち合わせの回数が増えやすい |
後述する一般的なコンサル会社と比較して、オフィス移転に関するノウハウが豊富であり、より専門的かつ幅広い業務内容のサポートを受けられます。ただし、プロジェクトの初期段階からアフターフォローまでを行うため、打ち合わせの回数が増えやすいことや、やや費用が高額になる可能性があることはデメリットです。
専門分野があり、オフィス移転コンサルも行う会社
大手コンサルティング会社の場合、オフィス移転に関する専門分野を持つ場合があります。オフィス移転のコンサル会社の母体となるのは、主に以下のような企業です。
<コンサル会社の主な母体>
- 大手コンサルティング会社
- 不動産会社
- デザイン・設計会社 など
オフィス移転コンサルも行う会社にコンサルティングを依頼するメリット・デメリットは次のとおりです。
【専門分野があり、オフィス移転コンサルも行う会社のメリット・デメリット】
メリット |
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・契約中のコンサル会社に依頼できる場合がある |
・コストを抑えられる可能性がある |
デメリット |
・ノウハウでは専門会社におよばない |
・サポート範囲を確認する必要がある |
現在、自社で契約しているコンサル会社がオフィス移転コンサルも手掛けている場合、自社の特徴や課題に詳しい会社にオフィス移転コンサルを依頼できます。しかしオフィス移転に関するノウハウでは専門会社におよばず、サポート範囲も限られる点がデメリットです。
オフィス移転コンサルを依頼するメリット
オフィス移転を自社スタッフのみで行う企業もあります。そのため、オフィス移転をコンサルに依頼する意味があるのか疑問に思っている担当者の方も多いかもしれません。オフィス移転をコンサルに依頼するメリットとして挙げられるのは、次の4つです。
<オフィス移転をコンサルに依頼するメリット>
- 専門家のアドバイスによって移転がスムーズに進む
- 担当者の業務負担を軽減できる
- 連絡の窓口を一本化できる
- 移転後もアフターフォローを受けられる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
専門家のアドバイスによって移転がスムーズに進む
オフィス移転にかかる期間は通常8ヶ月~1年と長く、その間にやるべきことはたくさんあります。オフィス移転コンサルに依頼すると、一貫したサポートを受けられるため抜け漏れがなく、移転日までスムーズに移転作業を進められる点がメリットです。
また、オフィス移転では「移転先選び」や「新オフィスのレイアウト決め」「什器・機器の手配」など、決めることも多いです。すべてが新オフィスの機能性や利便性を左右する重要なポイントですが、ノウハウを持つ専門家の意見やアドバイスを取り入れることにより、最適な選択をしやすくなります。
担当者の業務負担を軽減できる
前述したとおり、オフィス移転コンサルから一貫したサポートを受けられるため、プロジェクト担当者の業務負担が減り、並行する通常業務への悪影響を抑えやすくなります。そのため、決断までの時間を削減できることや、各種手続きの代行を依頼できることもオフィス移転コンサルを利用するメリットです。
連絡の窓口を一本化できる
オフィス移転を進めるにあたって、オフィス移転に関する疑問を持つ社員や、手続きや引越しの内容について相談したいと考える社員が出ることが予想されます。オフィス移転コンサルの介入を受けると、こういった問い合わせ・交渉・手続きの窓口を一本化できるため、問い合わせなどに関する対応が簡便になるでしょう。
移転後もアフターフォローを受けられる
依頼する業者によっては、移転後のアフターフォローにも対応してもらえます。オフィス移転後に業務をするにあたってレイアウトが効果的ではないことに気付いたり、人員の増減・働き方の変化などでオフィスの使い方を変えたくなったりした場合でも、アフターフォローを受けられれば、最小限のコストで修正を図れることもメリットです。
オフィス移転コンサルを依頼する際の注意点
先述したようにオフィス移転コンサルを利用するメリットはたくさんあります。しかし、以下のようにいくつかの注意点があることも把握しておきましょう。
<オフィス移転コンサルを依頼する際の注意点>
- 費用が発生する
- コンサルに丸投げできるわけではない
費用が発生する
オフィス移転コンサルを利用する場合、所定の設計・PMフィーなどのコンサルティング費用がかかります。費用はコンサルティングを依頼する企業や利用するサービスの内容、オフィスの規模などにより異なりますが、数十万円~数百万円が相場です。
オフィス移転には敷金・礼金などの初期費用や引越し代、新しい印刷物の発行、什器・機器の発注などで多額のコストが発生します。結果的に、当初の予算内ではコンサルティング費用を捻出できない場合があるかもしれません。
しかし、オフィス移転コンサルはコスト削減に関するノウハウにも長けています。最小限の予算で理想的な内装工事を行うことや、現在所有している什器の転用計画、コストパフォーマンスが高い移転先ビルの選定といったコンサルティングを受けることにより、むしろオフィス移転にかかるコストを削減できる可能性もあるのです。
コンサルに丸投げできるわけではない
オフィス移転コンサルと契約したとしても、移転に関するすべての業務を丸投げできるわけではありません。理想的な新オフィスに仕上げるためには綿密な打ち合わせが必要ですし、万一のトラブルを避けるために、荷物の搬出・搬入、レイアウトの確認といった作業には自社スタッフの立ち会いが必須です。
また、オフィス移転コンサルは移転のプロではありますが、必ずしも自社に最適なことだけを実施できるとは限りません。企業の理想や理念は千差万別なので、意見のすり合わせを繰り返し行い、何を目的に移転するのか、移転後にどのような働き方をしたいのかなどを細かく伝える必要があります。
オフィス移転コンサルの依頼先の選び方
オフィス移転コンサルを実施する企業は、専門企業・非専門企業を合わせると数えきれないほどあります。そのなかで自社に適したオフィス移転コンサルの依頼先を選ぶために、いくつかポイントをおさえておきましょう。信頼できる会社の選び方は、以下の3つの項目です。
<オフィス移転コンサルの依頼先の選び方>
- 自社のニーズに合ったコンサル会社を選ぶ
- 料金体系が明確な会社を選ぶ
- 法令を熟知している会社を選ぶ
自社のニーズに合ったコンサル会社を選ぶ
契約するコンサル会社によって、得意とする規模や分野が異なります。コンサル会社を比較する際は、自社と同規模の会社のコンサルティングに関与した実績があるか、自社が重視したいポイントに特化しているか・実績があるかなどを確認しましょう。また、サポートの範囲も確認し、利用したいサービスを受けられるかどうかを比較することも大切です。
料金体系が明確な会社を選ぶ
料金体系が明確で、信頼できるコンサル会社を選びましょう。見積もりに明細が詳しく記されているか、料金の根拠を質問した際に説得力のある回答をできるかを確認してください。明朗会計のコンサル会社を選ぶことにより、不正請求のリスクも限りなくゼロに近づけられます。
法令を熟知している会社を選ぶ
新しいオフィスの設計は、建築基準法や消防法を満たす範囲内のレイアウトにしなければなりません。法令や条例の知識がないコンサル会社に依頼すると、移転後に法律違反・条例違反を指摘され、設計のやり直しが必要になり、余計なコストもかかる恐れがあります。このため、法令・条例を熟知しているコンサル会社を選ぶのも重要なポイントです。
まとめ
オフィス移転コンサルとは、オフィス移転プロジェクトに的確なアドバイスや手続きの代行をするコンサルティング業者のことです。依頼する場合はコンサルティング費用がかかりますが、オフィス移転のノウハウを生かして移転コストの削減を図れます。また、的確なアドバイスと窓口業務によりオフィス移転プロジェクトの担当者の作業を軽減でき、理想的な新オフィスへの移転をスムーズに進めることが可能です。
「オフィス・ラボ」は、オフィス移転に特化したコンサルティング会社です。当社は設計・デザイン・マネジメントなどの初期段階よりプロジェクトに参加し、内装工事・施工管理から引越し・運用・アフターフォローまでのサービスをワンストップで行います。最小限のコストで理想的なオフィス移転を実現できるため、オフィス移転をご検討中の企業担当者様は、当社までお気軽にご相談ください。