オフィスレイアウトの変更を計画している企業におすすめしたいことは、「利便性」「機能性」だけではなく「おしゃれさ」にも注目することです。
「こんなところで働いてみたい」と思わせるおしゃれなオフィスは、社員のモチベーションを大きくアップします。自社への愛着や仕事への情熱も深まり、社内の雰囲気も活気付くでしょう。
本記事では、おしゃれなオフィスを実現するために必要なポイントやオフィスレイアウトを考える手順、さらには具体的な事例も紹介します。
オフィスのイメージをおしゃれに変えて、企業全体の生産性向上を目指しましょう。
おしゃれなオフィスを実現する6つのポイント
おしゃれなオフィスを実現するには、詳細な計画が必要です。「我が社に合うおしゃれとは」を突き詰めて、理想のオフィスをイメージしましょう。
1. コンセプトを明確にする
まずはオフィス作りの核となるコンセプトを決めましょう。決め方はさまざまありますが、「企業のコア業務に関係するもの」をイメージとして打ち出すとわかりやすいかもしれません。
例えば環境関連の企業なら、「自然」「地球」「森林」などをコンセプトにする方法があります。
コンセプトが明確になれば、オフィスのベースとなるカラーやアクセントカラーも決めやすくなります。家具や備品を選ぶときもオフィスにあった素材・デザインを選びやすくなり、オフィス全体に統一感を出しやすくなるでしょう。
2. 備品にこだわる
おしゃれなオフィスなら、デスク・チェアーなどにもこだわりたいところです。一昔前の無機質なオフィスデスク・チェアーではなく、見栄えを重視したデザインを選びましょう。
最近ではシンプルなプラスチック素材ではなく、温かみのある天然木やファブリック系の家具が人気です。フリースペースにゆったりとしたソファを配置する企業も多く、おしゃれなカフェのような雰囲気のオフィスも少なくありません。
オフィスコンセプトを踏まえて、おしゃれな備品をそろえましょう。
「オフィスを移転する可能性がある」「身軽にしておきたい」という企業には、おしゃれなオフィス家具のサブスクリプションサービスもあります。これなら導入コストがかからず、移転時も家具の処分・移動に困ることがありません。
3. グリーンを多く取り入れる
オフィスの快適性を高めるなら、観葉植物を多く配置してみましょう。
これは近年のオフィスレイアウトのトレンドのひとつで、「リラックス感が高まる」「社員の視覚疲労を低減する効果が期待できる」「ストレス緩和につながる」などのメリットがあります。
観葉植物の種類は多く、サイズ・色のバリエーションは豊富です。壁に掛けたりパーティションとして活用したりと配置方法もさまざまあるため、適材適所で上手にグリーンをつかいましょう。
「観葉植物の手入れが面倒で…」と設置をためらう企業は、フェイクグリーンもおすすめです。
4. 照明で空間に変化を付ける
照明もオフィスのおしゃれさを左右する重要な要素です。作業スペースは十分な明るさを確保して、それ以外の場所は目的や雰囲気に合わせて照明を使い分けてみましょう。
例えば休憩・食事スペースは、見栄えにこだわったダウンライトやペンダントライトを使うとおしゃれです。調光も変えてオレンジ色の強い電球色にすれば、落ち着いた雰囲気になります。
北欧系・インダストリアル系などとさまざまなデザインがあるため、オフィスの雰囲気に合うものを選びましょう。
一方、集中が必要な作業スペースは、デスクライトやスポットライトの設置がおすすめです。個々のニーズに合わせて光の方向を変えたり強さを調節できたりするため、作業効率も上がります。
5. 収納の工夫をする
書類やファイル・個人の荷物が散乱したオフィスでは、いくら外観を整えてもおしゃれにはなりません。必要なものをすっきりと収納できるよう、収納スペースを確保しておきましょう。
とくにフリーアドレスを採用する企業は、個人用のロッカーは必須です。
また収納スペースを確保するとともに、収納のルール作りも明確化しておく必要があります。「出したら元の場所にしまう」「一定期間以上保管した書類は速やかに廃棄する」などを明文化して全社で共有します。
6. おしゃれなリフレッシュスペースを設ける
リフレッシュスペースは社員の気分転換・休憩に使われる場所ですが、企業の個性を出しやすい場所でもあります。「働きやすさ」などを意識する必要がないため、思い切って「見栄え」「おしゃれさ」に全振りしてもよいでしょう。
実際にリフレッシュスペースを設けている事業の中には、くつろげるソファを並べてカフェ風にしたり、バーカウンターを設けてシックな雰囲気にまとめたりしているところがあります。
トレーニングマシンやスポーツ設備を設置している企業もあり、自社の個性を出しやすい部分といえるでしょう。
7. 専門家に相談する
「こんなオフィスにしたい」とイメージを具現化できない場合は、専門家に相談したが方が安心です。
オフィスレイアウトを手掛ける企業に相談すれば、コンセプト作りから基本構想の策定まで、プロの視点でアドバイスをもらえます。実績の豊富なプロ企業なら、最先端の家具・レイアウトの選び方も教えてもらえるでしょう。
おしゃれなオフィスレイアウトを考える手順
おしゃれなオフィスを作りたいなら、綿密にレイアウトを考えなければなりません。どのような手順を踏んでいくか、具体的に見ていきましょう。
1. 業務スタイル・コンセプトに合うオフィスレイアウトを選ぶ
オフィスレイアウトを考えるときの基本となるのが業務スタイルです。固定席性を採用する企業とフリーアドレス・グループアドレスを採用する企業では、家具の選び方・ゾーニングの仕方も異なります。
また、「おしゃれなオフィス」といっても「ナチュラル系で落ち着ける」「モノトーンでスタイリッシュ」など、さまざまなスタイルがあります。最初に考えた自社のコンセプトに合うオフィスレイアウトを模索しなければなりません。
たとえば「自然」「地球」「森林」がコンセプトの企業なら、「カラーはナチュラル系」「天然素材・グリーンを多用」などと、家具や備品の選択に統一性を持たせやすくなるでしょう。
2. ゾーニングを行う
コンセプトがはっきりしたら、オフィス全体のゾーニングを行います。業務スペース・共有スペース・保管スペース・会議スペースなどをどのくらいの割合で配置するか決めましょう。割合が決まったら、実際にゾーンを区切って大まかな配置を決めます。
次に家具や必要設備等の配置もあわせて決定してイメージを固めていきます。
3. アイデアを図面化する
大まかなゾーニングが終わったら、実際の図面に落とし込みます。このフェーズで大事なことは「オフィスの縮小版を作る」というイメージで、ドア・デスク・チェアーのサイズまで厳密に再現することです。
収納家具やドアなどは、「開けるときにどのくらいのスペースが必要か」まできちんとシミュレーションするのがポイントです。
4. 法律に抵触しないか確認する
図面が完成したら、オフィスレイアウトが法律に抵触していないかチェックしなければなりません。オフィスの構造については、「労働安全衛生法」「建築基準法」「消防法」などで一定の規定が定められています。
どれほどおしゃれなオフィスレイアウトを作成しても、法律に抵触していると採用は難しいと言えます。
例えば、以下のポイントに要注意です。
- オフィスの廊下:両側に部屋がある場合は160cm以上、片側のみ部屋がある場合は120cm以上(建築基準法)
- パーティションの設置:パーティションで欄干を塞いだ場合は煙感知器等の設置が必要(消防法)
- 社員の作業スペース:労働者1人あたり気積10立米以上の面積を確保すること(安全衛生法)
このほかにも留意すべき法律がある上、法的な手続きが必要となるケースもあります。オフィスレイアウトが完成したら、必ず専門家のチェックを受けることが大切です。
おしゃれと機能性を両立するコツ
あまりにもおしゃれさばかりを重視すると、オフィスに必要な機能が抜け落ちる恐れがあります。どのようなレイアウトを作るにせよ、「安全性」「動線」には配慮が必要です。
おしゃれ・機能性を兼ね備えたオフィスを作るポイントを紹介します。
1. 安全性を考慮する
万が一災害が起こったときを想定し、避難しやすいレイアウトを作りましょう。背が高すぎる家具やパーティションを設置する場合は耐震補強をしっかりと行い、地震が来ても倒れにくくすることが必要です。
また近年の社会情勢から、密が避けられる傾向があります。社員が密集するエリアを作らないよう、机の配置にも気を付けなければなりません。
2. 動線計画を立てる
使い勝手のよいオフィスにするためには、必要な機材・出入口までスムーズにアクセスできるのが理想です。レイアウトを考えるときは、「社員がどのように動くか」を厳密に想定してゾーニングを行いましょう。
例えばコピー機は多くの社員が使います。部屋の隅に配置すると「使いにくい」と感じる社員が続出するでしょう。オフィスでは、社員が複雑な動線で動かずに済むのが理想です。
一方で社員の運動不足への懸念から「あえて歩き回る動線」を採用する企業もあります。この考えを支持する企業なら、オフィスを回遊するような複雑な動線になることもあるでしょう。
おしゃれなオフィスのアイデア例
業務効率化・ブランディング力アップなどの観点から、「おしゃれなオフィス」の実現に力を入れる企業も増えています。おしゃれなオフィスの具体的なアイデアについて紹介します。
1. 企業カラーを随所に配置したレイアウト
企業カラーをアクセントにしたオフィスレイアウトは、ブランディング効果を狙う企業におすすめです。床の一部に効果的に企業カラーを配置したり、家具・小物類を企業カラーで統一したりといったアイデアがあります。
企業カラーを効果的に使えば、オフィス全体に統一感が出ます。合わせる色数を抑えればシックに・多めにすればポップで賑やかな印象になるでしょう。
2. 来客にアピール力の高いショールームオフィス
自社をショールームとして活用したいなら、「見せる」タイプのレイアウトを選択する方法があります。自社商品を随所に並べて、来客の興味を惹きやすくするのです。
オフィスをショールームのようにレイアウトする企業の中には、アピール映像を流したりジオラマを設置したりするところもあります。
演出や見せ方にこだわれば、オフィスとは思えないおしゃれな空間になるでしょう。
<h2>おしゃれなオフィスで業務効率をアップしよう</h2>
おしゃれなオフィスを実現するためには、基本コンセプトを明確化したり、備品・照明にこだわったりすることが大切です。よい構想が浮かばない場合は、プロの手を借りることも検討した方がよいでしょう。
おしゃれで機能的なオフィスは、業務効率のアップに有益です。社員同士のコミュニケーションも深化して、より斬新なアイデアが生まれやすくなるかもしれません。
自社のワークスタイルや社員のニーズ・動線を考慮して、理想のオフィスレイアウトを実現しましょう。