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いま注目すべきバイオフィリックデザインとは?オフィス導入の効果やポイントを解説

2024.10.05 #ウェルビーイング #コミュニケーション #デザイン、什器家具 #働き方

昨今のオフィスデザインとして注目されているものに「バイオフィリックデザイン」があります。バイオフィリックデザインとは、人間の本能的欲求を満たす要素を建築に取り入れたデザインのことです。AmazonやGoogleなど、大企業が続々と導入したことでも話題になりました。

この記事では、バイオフィリックデザインをオフィスに導入する効果や、オフィスにおすすめのバイオフィリックデザイン例をご紹介します。また、導入時のポイントや注意点も解説します。

バイオフィリックデザインとは

バイオフィリックデザインとは、「自然とつながりたい」という、人間の本能的欲求を満たす要素を反映したデザインのことです。バイオフィリックデザインは「バイオ(生命や生物)」と「フィリア(愛)」を掛け合わせた「バイオフィリア」の考えに基づいています。

バイオフィリックデザインをオフィスに導入する効果

バイオフィリックデザインは、Amazon本社やGoogle本社などの建築やインテリアにも導入されています。また最近では、日本国内の企業もバイオフィリックデザインを取り入れる機会が増えてきました。

バイオフィリックデザインをオフィスに導入する効果としては、主に以下の4点を見込めます。

<バイオフィリックデザインをオフィスに導入する効果>
・従業員のストレスが緩和する
・生産性・創造性の向上につながる
・離職率の低下につながる
・企業ブランディングになる

それぞれを具体的に見ていきましょう。

従業員のストレスが緩和する

緑や自然音などの効果により、オフィスワーカーのストレスを軽減できます。結果として、従業員の集中力や幸福度が向上する可能性が高いです。植物なしのストレス状態を1.00としたとき、植物ありでは0.89、植物+ハイレゾ音ありでは0.76までストレスが下がったという研究結果もあります。

出典:国土交通省

首都圏における都市開発を通じた イノベーション空間の創出

生産性・創造性の向上につながる

バイオフィリックデザインの導入により、従業員の集中力が増すと、生産性の向上にもつながります。そのため、業務の質の向上を見込みやすくなり、企業の業績アップにつながる可能性もあります。

また、視覚や聴覚を通して自然を感じられるオフィスで働くことにより、従業員の創造性や思考が豊かになりやすいことも、バイオフィリックデザインを取り入れるメリットです。柔軟な思考は、新しいアイデアの創出につながりやすいため、オリジナリティあふれる商品やサービスの開発にも期待できます。

離職率の低下につながる

バイオフィリックデザインの導入が、離職率の低下という効果をもたらす可能性もあります。離職率を下げるために必要なのは、仕事に対する幸福度を高めることです。バイオフィリックデザインの導入によりストレスが減少するため、従業員の幸福度が高まり、これがエンゲージメントの向上につながります。

企業ブランディングになる

デザイン性が高く、ユニークなオフィスを構えることは、企業ブランディングにも直結します。企業ブランディングとは、企業全体のイメージや価値を高め、自社ならではの良さを顧客や取引先の企業に認知してもらうことです。

企業ブランディングを行うメリットは、次のとおりです。

<企業ブランディングを行うメリット>
・企業イメージの向上により、未進出の分野も開拓しやすくなる
・マーケティング効果が向上する
・従業員のモチベーション向上につながる
・優秀な人材を獲得しやすくなる
・企業の理念が浸透しやすくなる
・資金調達がしやすくなる

企業ブランディングでイメージが向上することにより、顧客や関係先の信頼度を高められるため、上記のようなさまざまな効果を見込めます。

オフィスにおすすめのバイオフィリックデザイン例

オフィスにバイオフィリックデザインを取り入れる場合におすすめできる方法は、次の4つです。

<オフィスにおすすめのバイオフィリックデザイン例>
・植物を取り入れる
・自然光を取り入れる
・自然の音をオフィスBGMとして取り入れる
・アロマを取り入れる

気軽に取り入れられるものもありますが、効果的にバイオフィリックデザインを導入するためには、専門の会社に相談することをおすすめします。豊富なノウハウを持つ会社に依頼することにより、現状のオフィスレイアウトを活かすだけでなく、レイアウトの変更やオフィス移転も含めた幅広いプランの提案を受けられます。

植物を取り入れる

観葉植物や芝生を使ったバイオフィリックデザインです。アイテムを追加するだけで、バイオフィリックデザインを取り入れられるため、現状のオフィスデザインを維持したい場合に適しています。

エントランスや会議室のような広いスペースには、背が高い観葉植物を配置すると、自然な仕上がりになります。反対に、デスク周りやキャビネットなどの狭いスペースには、小さな鉢植えを設置すると圧迫感が生じません。

ただし、植物によっては、水やりや枯れ葉の処理といった手間がかかります。管理が難しい場合は、フェイクグリーンの導入も検討しましょう。

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自然光を取り入れる

自然光を浴びることにより、人間は明るくポジティブな気分になるといわれています。自然光は人間の体内リズムを作る役割も果たすため、バイオフィリックデザインの一環として自然光を取り入れることにより、健康増進の効果が期待できるでしょう。

自然光を効果的に取り入れるためには、大きな窓があるオフィスを選ぶのがおすすめです。オフィス移転が難しい場合は、パーテーションを透明素材にするなどレイアウトを工夫したり、自然光を再現したLED照明を導入したりすると効果的です。

自然の音をオフィスBGMとして取り入れる

植物や自然光を活用したバイオフィリックデザインが難しい場合は、自然の音をオフィスBGMに取り入れると良いでしょう。

従業員のストレスが緩和する

でご紹介したように、ハイレゾ音を取り入れると、ストレスが大幅に緩和されることが分かっています。

川のせせらぎや鳥のさえずり、葉擦れの音など、自然界で発生している音を選ぶのがおすすめです。ただし、トイレで流れるような人工的な音では、高い効果が見込めません。音の種類や音量、音のかけ方などにリサーチが必要です。

アロマを取り入れる

アロマテラピーの考え方を取り入れる方法もあります。アロマテラピーとは、森や花、フルーツといった植物から抽出した精油を使い、心身のトラブルを回復させる自然療法のひとつです。

アロマテラピーは、心と体のリラックスやリフレッシュを促すことや、心と体の健康を保ち、豊かな毎日を過ごすことを目的に行います。アロマテラピーによる効果を得られると、心と体のバランスが整い、人間が本来持つ美しさを引き出せると考えられています。

アロマテラピーは、香りによって期待できる効果が異なるため、目的に合った香りを選びましょう。

【アロマテラピーの香りごとに見た期待できる効果】

期待できる効果 効果を引き出せる香り
集中力の向上 ペパーミント、レモン、ローズマリー、ユーカリ
安眠 カモミール、ネロリ、マージョラム、ラベンダー
やる気の向上 クラリセージ、グレープフルーツ、ジャスミン
活力の向上 グレープフルーツ、カルダモン、レモングラス、ローズマリー

オフィスにバイオフィリックデザインを導入する際のポイント

オフィスにバイオフィリックデザインを導入する際のポイントは、次の5点です。

<オフィスにバイオフィリックデザインを導入する際のポイント>
・ビルの管理会社に導入可能か確認する
・コンセプトや目的を明確にする
・導入・メンテナンス費用の予算を決める
・メンテナンス計画を立てる
・インテリアの設置では導線を考慮する

それぞれを具体的に見ていきましょう。

ビルの管理会社に導入可能か確認する

植物を取り入れる場合は、ビルの管理会社に導入が可能か確認しましょう。

管理会社によっては、万一の災害発生時に、避難経路を塞ぐなどの問題が発生する可能性があるため、植物の設置を禁止する場合があります。無断で植物を設置するとトラブルの原因になるため、ビルの管理会社にバイオフィリックデザインの内容を説明し、問題がないか確認してください。

コンセプトや目的を明確にする

バイオフィリックデザインのコンセプトや目的を明確にすることも、重要です。

バイオフィリックデザインの導入により期待できる効果は、集中力の向上や生産性・創造性の向上、企業ブランディングなどさまざまです。アロマテラピーのように、選ぶ香りによって期待できる効果が変わる施策もあるため、まずは何を目的にバイオフィリックデザインを取り入れるのかを明確にしましょう。

導入・メンテナンス費用の予算を決める

バイオフィリックデザインは、導入時に費用がかかるほか、内容によっては維持・メンテナンスの費用もかかります。特に、オフィス移転を伴う場合は高額な導入費用がかかるため、綿密な計画を立てなければなりません。ランニングコストも細かく計算し、無理のない予算に収まるか確認しましょう。

メンテナンス計画を立てる

メンテナンス計画を立てることも、大切なポイントです。

植物の場合は、定期的な水やりや土壌の交換です。そのほかにも、植物の種類によっては、枯れ葉の処理や害虫対策が必要になります。アロマの場合も、精油がなくなったときに追加をするなど、定期的なメンテナンスを行わなければなりません。

社内で誰がメンテナンスを担当するのかを決めておくと、バイオフィリックデザイン導入後の運用がスムーズです。担当者が見つからない場合は、専門会社にメンテナンスを委託しましょう。

インテリアの設置では導線を考慮する

大きな観葉植物を導入する場合など、インテリアの設置では導線を考慮する必要もあります。

バイオフィリックデザインが業務の邪魔してしまっては、意味がありません。インテリアが道を塞ぎ、従業員の導線が悪くなると、むしろストレスを高めてしまいます。局所的ではなく、オフィス全体のバランスを見ながら、配置を決めることが重要です。

また、通常業務だけではなく、地震や火災といった災害発生時の導線にも気を配りましょう。万一の事態が発生したときに、従業員が安全に避難できるよう考慮して、配置を検討することが大切です。

まとめ

バイオフィリックデザインをオフィスに導入すると、従業員のストレス緩和や生産性・創造性の向上、企業ブランディング、離職率の低下といった効果が期待できます。植物や自然の音、アロマなどの導入は手軽に行いやすく、オフィスのバイオフィリックデザイン例としておすすめです。

バイオフィリックデザインを導入する際は、動線の考慮や綿密なメンテナンス計画が必要です。バイオフィリックデザインの効果を高めたい場合や、メンテナンス担当者が自社で見つからない場合は、バイオフィリックデザインの導入やメンテナンスに詳しい会社に相談しましょう。

「オフィス ラボ」は、設計・デザインを含め、オフィスのトータルプロデュースが可能です。ぜひ一度お問い合わせください。

オフィス環境営業部
この記事を書いた人
オフィス・ラボ担当者
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