働き方改革の影響もあり、オフィスのデザインそのものを変更する企業が増えています。オフィスをおしゃれにすることにより、企業ブランディングにつながるほか、エンゲージメント向上やコミュニケーションの活性化、生産性・創造性の向上につながりやすいことがメリットです。
この記事では、オフィスをおしゃれにするメリットを詳しくお伝えしたうえで、オフィスの内装をおしゃれにするアイデアや、内装を変更する際のポイントを解説します。おしゃれなオフィスの事例もご紹介しているため、ぜひこの記事を参考に、おしゃれで機能的なオフィスへの改装を検討してみてください。
オフィスの内装をおしゃれにする4つのメリット
企業がオフィスの内装をおしゃれにすると、エンゲージメント向上やコミュニケーション活性化といった効果が期待できます。また、企業ブランディングなど、外部に向けたアピールにつながることもメリットです。内装をおしゃれにすることにより得られるメリットは、以下のとおりです。
<オフィスの内装をおしゃれにする4つのメリット>
・企業ブランディングにつながる
・エンゲージメント向上・離職率低下につながる
・コミュニケーションの活性化につながる
・生産性・創造性の向上につながる
それぞれを具体的に見ていきましょう。
企業ブランディングにつながる
オフィスの印象は、ステークホルダーに対して企業イメージをアピールできるため、企業ブランディングにつながります。近年ではSNSを活用する人が増えており、インフルエンサーがオフィスの様子を発信すれば、企業の認知度が高まる可能性もあるでしょう。
エンゲージメント向上・離職率低下につながる
オフィスの状態は従業員のモチベーションを左右するため、おしゃれな内装を取り入れると、エンゲージメント向上につながります。居心地が良く、働きやすさにも配慮したオフィスを設けることによって従業員のモチベーションを高めると、離職率低下も実現しやすいです。
コミュニケーションの活性化につながる
おしゃれなオフィスに再構築すると同時に、従業員同士が交流しやすいように工夫を凝らすと、コミュニケーションの活性化にもつながるでしょう。たとえば、オフィス内で好きな場所を選んで働ける「フリーアドレス制」を採用すれば、部署を超えたコミュニケーションを図りやすくなります。
オフィスコミュニケーションの活性化は、業務効率や生産性の向上、アイデアの創出、エンゲージメント向上に大きく寄与します。オフィスコミュニケーションを促進する工夫や、促進する際のポイントについては、以下の記事から詳しくご確認ください。
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オフィスコミュニケーションが重要な理由とは?活性化するためのレイアウトや制度を紹介
生産性・創造性の向上につながる
しゃれなオフィスを構えている企業は、デザイン性や雰囲気が良いだけでなく、機能性も重視している場合が多いです。従業員が移動しやすい導線を作ったり、先述したコミュニケーション活性化を実現したり、働きやすい環境を設けて集中力を高めたりすることで、生産性や創造性の向上にもつながります。
このように、オフィスをおしゃれにすることによるメリットは多く、さらにそれぞれのメリットが相乗効果をもたらす可能性が高いです。企業ブランディングにより優秀な人材を確保し、離職率を抑えつつ、コミュニケーションを活性化させながら生産性を向上させるといった、好循環を生み出しやすくなるでしょう。
オフィスの内装をおしゃれにするアイデア
「オフィスの内装をおしゃれにする」という言葉は漠然としており、どのような方法で実現できるのか曖昧になりがちです。そこで、オフィスの内装をおしゃれにする具体的なアイデアを5つご紹介します。
<オフィスの内装をおしゃれにするアイデア>
・デザイン性の高いオフィス家具を選ぶ
・バイオフィリックデザインを導入する
・アートを取り入れる
・デザイン性の高い照明・床材にする
・カラーコーディネートに注目する
それぞれを具体的に見ていきましょう。
デザイン性の高いオフィス家具を選ぶ
デザイン性の高いオフィス家具を取り入れるだけでも、オフィス全体の印象が大きく変わります。意匠性のあるデスクを設置したり、アクセントカラーにもなるチェアを置いたりといった方法なら、どのような業種のオフィスでもおしゃれな空間を作りやすいでしょう。
トレンドを意識する場合や、高級なデザイナーズ家具を導入する場合は、購入ではなくリースを活用する方法もおすすめです。流行の変化に対応しやすいことに加えて、初期費用も抑えられます。
バイオフィリックデザインを導入する
バイオフィリックデザインとは、「自然とつながりたい」という、人間の本能的欲求を満たす要素を反映したデザインのことです。観葉植物やフェイクグリーンを取り入れて緑化することにより、オフィスをおしゃれにするだけでなく、従業員のストレスを緩和させるなどの効果にも期待できます。
バイオフィリックデザインを導入する効果や、オフィスにおすすめのバイオフィリックデザイン例などは、別の記事に詳しくまとめています。以下の記事も併せてご覧ください。
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いま注目すべきバイオフィリックデザインとは?オフィス導入の効果やポイントを解説
アートを取り入れる
オフィスのデザイン性を高める手段として、アートを取り入れる方法も効果的です。その場の雰囲気を変えられるほか、気分転換やリフレッシュにつながりやすいことも、アートを取り入れるメリットといえます。アート導入を支援するサービスもあるため、専門家のサポートも受けながら導入を目指しましょう。
デザイン性の高い照明・床材にする
家具やインテリアだけでなく、照明にこだわることも、オフィスをおしゃれにするためのポイントです。執務室や休憩室など、部屋の用途に応じて最適な照明が変わります。どのような用途で使う空間なのかをイメージして、照明のデザインや色を選ぶのが、おしゃれで機能的な内装に仕上げるポイントです。
床の色や素材にメリハリを持たせることも、オフィスをおしゃれにする方法のひとつです。床の色や素材を変えることにより、オフィスに間仕切りを作らなくても、部署を仕分けしやすくなるでしょう。カーペットを敷くだけでもイメージを一新できるため、気軽に対策ができることもメリットです。
カラーコーディネートに注目する
おしゃれな内装にこだわるために、カラーコーディネートにも注目しましょう。カラーコーディネートで重要なのは、企業のコンセプトに合った色合いを選ぶことです。コーポレートカラーを導入したり、業務内容によって部屋ごとの色合いを変更したりしても良いでしょう。
オフィスの内装をおしゃれに変更する際のポイント
オフィスの内装をおしゃれに変更する際に、重視すべきポイントが5つあります。担当者の独断で空間をデザインするのではなく、関係各所との連絡を取ったうえで、内装を変更することが重要です。
<オフィスの内装をおしゃれに変更する際のポイント>
・事前に管理会社に連絡する
・会社のコンセプトに合ったデザインにする
・機能性も重視したレイアウト・設備にする
・社員の意見も取り入れる
・専門家に相談するのもおすすめ
5つのポイントについて、それぞれを詳しく解説します。
事前に管理会社に連絡する
入居しているビルによっては、導入できる家具やインテリア、照明、床材などに制限をかけている場合があります。耐震強度を下げたり、消防法に抵触したりする可能性もあるため、事前に管理会社に連絡して了解を取りましょう。変更するデザインの内容や範囲をまとめておくと、相談や交渉がしやすくなります。
また、ビルの借主は、退去時に原状回復をする義務があることにも、注意しなければなりません。リノベーションの規模が大きすぎると、原状回復ができなくなったり、原状回復に膨大な費用がかかったりする可能性があります。将来の原状回復も視野に入れながら、オフィスのデザインを決めましょう。
会社のコンセプトに合ったデザインにする
会社のコンセプトに合ったデザインを取り入れると、企業の方針とオフィスのイメージに一体感が生まれます。「社内外の人に明るく清潔な印象を与えたい」「柔軟な働き方に対応したい」といった目的を明確にすると、目的に合った内装をデザインしやすくなり、ブランディング効果を高めやすくなります。
機能性も重視したレイアウト・設備にする
デザイン性ばかりを意識すると、従業員にとって使いにくいオフィスに仕上がりかねません。そのため、デザイン性だけでなく、希望性も重視したレイアウトと設備にすることも重要なポイントです。
ビルの規約などの問題で大掛かりなリノベーションができない場合は、カラーコーディネートを工夫するだけでも機能性を高められます。たとえば、会議室ごとにカラーコーディネートを変更することにより、テーマに合わせた使い分けがしやすくなるほか、脳をリフレッシュでき、新しいアイデアを創出しやすくなるでしょう。
社員の意見も取り入れる
オフィスを日常的に使うのは現場で働く社員なので、社員の意見も取り入れながらオフィスをデザインしましょう。企業に関わる人からアンケートをとり、1人でも多くの人が満足できるオフィスデザインを取り入れることにより、エンゲージメントやモチベーションを向上しやすくなります。
上層部や特定の部署、担当者の独断でオフィスデザインを決める会社もありますが、従業員の働きやすさを実現できないリスクがあるため、要注意です。年代によっても「おしゃれ」と感じる基準が変わるため、社員の年齢層も確認しながらデザインを決めると、良いでしょう。
専門家に相談するのもおすすめ
オフィスをおしゃれにするためには、家具や植物、アート、照明、カラーなどさまざまな専門知識が求められます。自社内でインテリアを決めるのが難しい場合は、専門家に相談するのもおすすめです。
オフィスデザインやオフィス移転の専門会社なら、自社のコンセプトや強みを意識したうえで、現在のオフィスで可能な設計・デザインを代行します。什器備品の選定や販売もワンストップで手掛ける会社に相談することにより、レイアウトの考案に時間と手間をかけることなく、理想的な空間を構築できるでしょう。
おしゃれなオフィスの事例6選
おしゃれなオフィスの事例を6つご紹介します。プロジェクト概要やコンセプトを写真付きでお伝えしているので、自社のオフィスレイアウトの参考にしてみてください。
<おしゃれなオフィスの事例6選>
・東急不動産 様
・関綜エンジニアリング 様
・ディー・キュービック 様
・ロバート・ウォルターズ・ジャパン 様
・富士薬品 様
・HITOWAホールディングス 様
それぞれを具体的に見ていきましょう。
東急不動産 様
「オーガニックリボンが緑との交流をつなぐ、森のようなオフィス」をコンセプトに、隈研吾建築都市設計事務所の協力を得て制作したコラボレーション案件です。
バイオフィリックデザインを導入し、生命力にあふれるオフィスを表現しています。ワーカーは、オフィスの所在地である渋谷の街を散策するかのように働けて、より活き活きとしたパフォーマンスを発揮できるようにデザインしました。
関綜エンジニアリング 様
設備全般のファシリティ事業を展開されている企業の、オフィス・工場機能を兼ねたテクニカルショールームの新設プロジェクトです。
1階の応接エリアは、回遊式の機能的なレイアウトをとり、森の四季が表現された会議室を設けるなど、「ディスカバリー・フォレスト」のコンセプトに沿ったデザインを行っています。同フロアには、バーを兼ねたカフェスペースもあり、来客者へ最高のおもてなしができるように設計しました。
ディー・キュービック 様
「働く人が活き活きと業務ができて、働く魅力を感じられる今までにないコールセンターにしたい」との要望のもと、「PARK & Resort」をコンセプトに掲げてデザインしました。
1人でゆったりできる席から大人数で集まれる場所まで、さまざまなシチュエーションに対応できる空間に仕上げていることが特徴です。床材にもこだわり、色やデザインを分けることで、さりげなくゾーニングを行っています。
ロバート・ウォルターズ・ジャパン 様
「ORIGAMI」をコンセプトにしたデザインで、オフィス内の各所に折り紙のモチーフを取り入れています。特に、エントランス部分に設置した鉄板を折り曲げて表現した造作は、オフィスの象徴として社内外で認識され、アートとしての役割も果たす存在です。
富士薬品 様
エントランスの先にはパレットスペースが広がり、社内外の人々がコミュニケーションを取りやすいように設計しています。適所にバイオフィリックデザインを導入しているほか、チェアに差し色を使うなどしてメリハリをつけ、おしゃれな空間に演出しました。
HITOWAホールディングス 様
時代に合わせたワークスタイルを促すため、全面的なフリーアドレスの導入に伴うデザイン変更を行った事例です。あえて境界を曖昧にすることで偶発的なコミュニケーションを促し、バイオフィリックデザインも導入しながら、快適に働けるワークスペースをデザインしています。
まとめ
オフィスの内装をおしゃれにすることにより、企業ブランディングにつながるほか、エンゲージメント向上やコミュニケーションの活性化を実現しやすくなります。デザイン性の高いオフィス家具を選ぶ、バイオフィリックデザインを導入するといったアイデアにより、おしゃれな空間を生み出せるでしょう。
オフィスの内装をおしゃれに変更するときは、会社のコンセプトに合ったデザインを選んだり、機能性も重視したレイアウトに仕上げたりすることが重要です。専門的な知識が求められるため、悩んだときは専門家に相談することをおすすめします。
「オフィス ラボ」は、設計・デザインを含め、オフィスのトータルプロデュースが可能です。ぜひ一度お問い合わせください。