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【Designer’s Report】移転・改装時に知っておきたい!オフィスの天井の種類

2023.10.11 #働き方 #移転改装

こんにちは、オフィス・ラボです。「DESIGNER'S REPORT」はオフィス・ラボのデザイナーが、デザイナー目線でオフィスにまつわる様々なことについて考察していくレポートです。普段私たちが大切にしている「100社100通り」のオフィスをどのように創っているのか、今回も事例を通じてご紹介していきます!

はじめに

今回はオフィスビルの天井についてご紹介します。
みなさん、オフィスの天井に意識を向けたことはありますか?照明や防災設備など、様々な設備がついていることを認識されている方は多いかもしれません。実は、オフィス天井は社員の皆さんの働きやすい環境を整えるための大きな役割を担っています。オフィス移転やリニューアルの際に、機能面や意匠性、コスト面などで「こんなはずじゃなかった、、、」と失敗しないために、まず天井が果たす役割について理解しておきましょう!

オフィスの天井がもつ役割とは?

オフィスの天井は、機能的な役割だけでなく、デザインや環境への影響も持っています。以下に、オフィスの天井が果たす役割をいくつか挙げてみましょう。

①保護とプライバシー

 天井は、オフィス内の個別のスペースを区切るために、天井が低い場所や仕切り壁と組み合わせることがあります。これにより、プライバシーが保たれ、集中力や効率が向上する可能性があります。

②照明と視覚的快適性

 天井には、照明設備が取り付けられることが多いです。適切な照度は、作業効率や作業環境の質を大きく左右します。また、天井のデザインや色も視覚的な快適性に影響を与え、従業員の居心地の良い環境を作り出す一因となります。

③音響と音量の調整

 天井は音響にも影響を与えます。適切な音響設計によって、音を吸収・反射・分散させることが可能です。天井材や形状の選択によって、働く環境での音の質や音量を調整することができます。

④通気と空調

 天井には通気や空調のシステムが組み込まれています。天井に設置された空調ダクトや換気システムは、快適な室温や空気の流れを維持するために重要です。

⑤空間の美観とデザイン

 天井のデザインは、オフィスの雰囲気やスタイルを大きく左右します。高い天井は広がり感を演出し、低い天井はアットホームな雰囲気を醸し出すことができます。また、天井の素材や模様を工夫することで、クリエイティブな空間を作り出すことも可能です。

⑥技術インフラの設置

 現代のオフィスでは、データケーブルや電源ケーブルなどの技術インフラが必要です。天井空間は、これらのケーブルや配線を隠すためのスペースとして利用されることがあります。これによって、床や壁のスペースを有効活用できるだけでなく、美観も損なわれません。

 

 以上のことを踏まえると、オフィスの天井は単なる空間の仕切りだけでなく、様々な機能的な要素とデザイン要素を兼ね備えた重要な役割を果たしていると言えます。いろんな役割がある天井ですが、実はビルによって天井の構造が異なります。どんな種類があるのか、そしてそれぞれの特徴、メリット・デメリットを次の章でご紹介します。あなたの会社が目指す働き方を実現しやすい天井がどれか、見つけていきましょう。

オフィスの天井の種類

 実際にオフィスの天井にはどんな種類があるのでしょうか。現在の日本のオフィスビルの天井は、主に3種類に分類されます。在来工法天井、システム天井、スケルトン天井、それぞれの特徴とメリット・デメリットをご紹介します。

1.在来工法天井

 在来工法天井とは、天井の下地材(骨組み)に岩綿吸音板や化粧石膏ボードなどの板材を貼りつける工法の天井です。

メリット

・遮音性を高めることができる

板材を天井の骨組みに貼りつける工法のため、居室内の密閉度が高く、天井裏を介した音漏れを軽減することができる。

・仕様の自由度が高い

照明や空調機材の種類や位置を自由に決めることができる。デザインにおいても、クロスや塗装など、幅広い施工がしやすい。

・修復、原状回復工事のコストを押さえることができる

最も普及している工法のため、岩綿吸音板や化粧石膏ボード等の材料費が比較的安い。

デメリット

・レイアウト変更に対応しづらい

照明や空調設備、防災設備など、一度設置した設備の移設が容易ではない。設備機器の移設の際には工事費が高くなる傾向にある。

2.システム天井

システム天井とは、下地材で作ったフレームに、天井の仕上材と空調や照明などの設備をはめ込むようにして組み立てる天井のことです。システム天井には、主に2種類あります。

・グリッド天井

天井の下地材(骨組み)が格子状に組まれ、その骨組みに仕上材や照明等の設備が升目ごとにはめ込まれている天井です。

・ライン天井

 天井の下地材(骨組み)が一方向に組まれ、照明や空調、防災などの設備が線状にはめ込まれている天井です。

メリット

・レイアウトの変更が容易
設備の移設の際は、グリッド型、ライン型共に骨組み内のパネルのはめかえで対応が可能なため、工期の短縮につながる。メンテナンスや設備の交換も容易。

・工費削減が可能
モジュールの標準化により部材ロスや不要材・廃材の発生が少なく、諸経費の節減に繋がる。

・スタイリッシュな雰囲気を演出
等間隔に設備が配置されているため、すっきりとした近代的な印象の空間演出が可能。設備の点検時に必要な点検口も、仕上げの板材と同じ形状のため目立たない。

デメリット

・音漏れの可能性がある
仕上材が軽いため、在来工法天に比べると吸音性、遮音性が低い。そのため天井裏を介した音漏れの可能性がある。

・耐震性への懸念(ライン天井)
仕上材が、ライン上に配置された下地材に乗っているだけのため、地震の揺れで仕上げ材が落下する可能性がある。

3.スケルトン天井

スケルトン天井とは、建築構造や配管、設備を露出したままにする工法の天井です。

メリット

・デザイン性の高さ

 モダンでデザイン性の高いオフィスデザインを実現しやすい。部分的にスケルトンにするだけでも、オフィスのシンボルとなるような空間づくりが可能。

・開放感がある

 一般的なオフィスフロアの天井高が2.4-2.6mに対し、スケルトン天井は3m以上の高さを出すことができるため、開放感のある空間演出が可能。

デメリット

・工費が高くなりやすい

 オフィスビルは元々天井の仕上げ材が施されていることがほとんどのため、仕上げ材や枠組みの解体・撤去が必要。見栄えを良くするために設備や配管を整える必要があったり、法的な設備機能をし見直す必要がある場合もある。退去時の原状回復工事のコストが大きくなる。

・吸音性が低い

 躯体が露出しているため、吸音性が低く、音が反響しやすい環境になる。

・空調効率が低下しやすい

 岩綿吸音板や化粧石膏ボードなどの仕上げ材がないため、外気の影響を受けやすくなる。

 

以上が各オフィス天井の特徴となります。こちらの内容を踏まえて、次の章では各天井に合った空間づくりについて、デザイナー目線でご紹介します。

理想の働き方を実現しやすいのは、、、?

これまでオフィス天井には実は様々な種類があって、それぞれに特徴があることをご紹介させていただきました。この章では、実際に「目指す働き方」に適した天井はどれかを弊社の施工事例を用いてご案内します。

 

①事務業務が多いオフィス

 ・同じ業務をする人が並んで仕事をするオフィス(例:コールセンター)

 ・IT系などエンジニアが多く在籍するオフィス

 システム天井がおすすめ!

照明や空調などの設備が等間隔に設置されているシステム天井は、大人数が効率よく働くことができる島型デスクの配置との相性が良いです。特にライン天井の場合は、天井の設備ラインとデスクのラインを揃えることで、意匠面でも空間として伸びのあるすっきりとした演出が可能です。

 

【施工事例】

ArtSpark Holdings 様/執務スペース

HITOWAホールディングス 様/執務スペース

②吸音・遮音の対策が必要なオフィス

 ・収録や配信をするためのスタジオがあるオフィス

 ・会議室やWEB会議用ブース等の個室が多いオフィス

 在来工法天井がおすすめ!

 

【施工事例】

 GameWith様/スタジオ

 山王様/集中ルーム

③デザイン性の高いお洒落なオフィス

 ・優秀な人材確保や企業イメージ向上につながるような個性のあるオフィス

 ・オフィス滞在時間が長い職種の人が多いオフィス

 スケルトン天井がおすすめ!

 

【施工事例】

東急不動産様/執務スペース

関綜エンジニアリング様/カフェスペース

オフィス環境を快適にするための方法のひとつに、天井の選択は重要なポイントになります。目的に応じて適した天井があるということを頭の片隅に置いておくと、移転時やリニューアル時により効率的な選択ができるはずです。

最後に

いかがでしたでしょうか。ぜひ今のオフィスの天井を見上げてみてください。あなたが今いるオフィスの天井はどの種類でしょうか?

普段何気なく目にしている天井にも、いろいろな種類や機能があります。そこには、様々なメリット・デメリットもあり、向き・不向きな空間があります。とはいえ、「この天井だからこれが実現出来ない」ということもありません。「システム天井だけど防音性の高いスタジオをつくりたい」「コストを抑えたいが、意匠性のあるスケルトン天井にしたい」などのご要望の実現に向けて、課題の解決策をみつけ、ご提案をさせていただくのがオフィスのプロである私たちの役目です!

オフィス・ラボではお客様との二人三脚で、100社100通りのご提案に日々挑戦しています。働き方について日々研究をし、試行錯誤を繰り返しています。私たちは「働く空間」全般のプロデュースやマネジメントを得意としています。物件探しから移転後のアフターケアまで多岐にわたってサポートさせていただきます。こんな働き方をしたい!この悩みを改善したい!などのご要望があれば、是非一度ご相談ください。ご連絡お待ちしております。

ファシリティデザイン部
この記事を書いた人
オフィス・ラボ担当者
ファシリティデザイン部

FD部メンバー。オフィスのレイアウトからデザイン、什器備品の提案まで幅広くご対応させていただきますので、お気軽にお声がけいただけますと幸いです。