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【Designer’s Report】新人デザイナーと先輩のデザイントーク!

2024.06.12 #働き方 #移転改装

こんにちは、オフィス ラボです。
「DESIGNER'S REPORT」はオフィス ラボのデザイナーが、設計者としての目線で、働く場にまつわる様々なことを、考察していくレポートです。 
普段私たちが大事にしている「100社100通り」のオフィスをどのように創っているのか、今回も事例を通じてご紹介していきます!

はじめに

新年度を迎え、早くも2か月が経ちました。気候も急に暖かくなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
オフィス ラボは4月1日より新たに5名の仲間が加わり、毎日活気と笑顔にあふれています。社員全員が互いに学び、刺激を受けています!

今回は、新しい仲間よりは少し早く入社した、未経験・中途入社の私たち2人が、先輩デザイナーにいろいろと聞いてきました。

登場人物紹介

先輩デザイナー Fさん

インタビュアー Nさん(昨年6月に入社。早いものでもうすぐ1年が経とうと
しています。元々はIT関連の企業に勤めていました。空間デザインに関わりたい!
という想いから、インテリアデザインの勉強をしながら家具販売を経て、現在に至ります。)

インタビュアー Tさん(今年の1月に入社。新卒から約1年半、SEとして働いていました。約1年間、仕事を続けながら週末に学校へ通って商空間デザインを学び、現在に至ります。)

プロジェクトについて

【内 容】 ご移転プロジェクト

【プロジェクト概要】
プロジェクト活動期間:4ヶ月
サポート内容    :基本設計、デザイン、内装工事、セキュリティ、ネットワーク構築、
           家具備品調達、引越し

お客様からの要望を教えてください!

まず、増員に向けて、広いオフィスへの移転がご希望でした。
その中で、以下の2つが主なご要望です。

・部署ごとにスペースを分けたい
・来訪者で、自社製品を紹介するショールーム機能を持たせたい

デザインコンセプトはどのようなものでしたか?

大きく分けて3つありました。

・柔らかな雰囲気の演出にする(曲線のを活用)
・クリエイティブな空間にする
・象徴的なシンボルを配置して印象に残る空間にする

もう少し掘り下げた内容としては、

・部署ごとで空間を分けたいが、適度な繋がりを感じられる工夫
・2部署の真ん中にコラボレーションエリアを配置する
・シンボリックな場所が欲しいとのご要望から、シンボルツリーを取り入れる

などが挙げられました。

エリアの分け方やシンボルツリーなどはお客様からのご要望であったのですね!

デザインのこだわりポイントを知りたいです!

1.空間(曲線、視線)、2.素材、3.アイテム(家具、照明)の3つに分けてお話ししますね。

1.空間

【曲線】
デザインコンセプトにもあった、柔らかい雰囲気を出すために使用しました。
天井と床を同じ曲線で分けることで間仕切りや壁を使用せずに空間を認識させる効果があります。
また、その曲線に合わせてコミュニケーションスペースのテーブルを作成しています。テーブルについては後ほど詳しく説明しますね。

天井が同じように曲線になっていることで一体感が出ているのですね。
天井は目に入りにくい箇所だと思っていましたが、空間を構成するデザインの大事な一部分だということがよく分かりました!

【視線】
木製ルーバーを角度を付けて配置することで、角度によって見え方に変化を与えています。
エントランスに立つと1枚の壁に見えますが、執務空間へ移動すると角度が変わり、互いの部署が見えるようになります。また、執務室側から木製ルーバーを見ると文字が浮かび上がるような遊び心も入れました。

いる場所によって役割が変わること、素敵ですね!
ルーバーに書かれている文字はお客様が大切にされているあり方を記してます。
お客様と共に作り上げることで、お客様もより一層自分たちのオフィスに愛着が湧きそうですね。

2.素材

素材の質感を大切にされるお客様でしたので、床やテーブルは無垢板を用い、サンプルを見ながらお客様と拘って決めました。
オフィスの仕上げとしては珍しく、無垢のフローリングを使用しています。
また、ガラスドアの取っ手部分も木の取っ手に変更することで空間に馴染むよう工夫しました。

ガラスパーティションは無機質なイメージを持っていましたが、素材を一部変えることによってまた違ったイメージを持たせることができるんですね。
曲線とも相まって、無垢材の質感の暖かみをとても感じます。

3.アイテム

【家具】
コラボレーションスペースのテーブルは天井・床の曲線に合わせて作成しました。
テーブルの足も円柱ではなく円錐にするというこだわりを加えることで、デザインコンセプトでもあった、”デザイン性に富んだクリエイティブな空間”の主要素になっています。
また、そのテーブルにあるシンボルツリーの日々のお手入れもしやすいよう、テーブルの一部分が開くようになっています。
そうすることでテーブルに空ける穴も最小限となり、使いやすさとデザイン性、どちらも叶えられる造りになっています。
テーブルの電源も無機質な印象を与えないために視界に入りにくい位置に配置しているんですよ。

円錐の脚が、オリジナリティもあって、すごく目を惹きます。
シンボルツリーの部分も、日々のお手入れのことなど、実際に使うなら、ということを考えてこだわったのですね。
わたしたちの日々の生活での気づきも、お客様のため
になるということがわかりました。

日常的な使い勝手を考えることもデザインを考える上では大切にしたいですね。

【照明】
エントランスと中央のオープンスペースは、電球色を用いて落ち着いた雰囲気を作り出しています。
展示スペースは、展示する製品に対しどのように光を照らすのが一番良くみえるか、
現場で位置や照らし方を何パターンも確認しながら決定しました。

飾り棚の照明の位置や造作テーブルの脚なども含め、その場での調整はとても大変かと思います。
でも、そのこだわり・想いはお客様の大切な商品をより美しく見ていただくために重要なことだと思います!

お客様の反応はいかがでしたか?

とても喜んでいただけました!
想像以上に採用の応募が増え、元々増席もできるようにオフィス移転をしましたが、嬉しいことに席が足りなくなる程です。

まさに、そこで働く人だけでなく、間接的に会社への良い影響が出るひとつの例ですね!
“オフィスデザイン”がもつ力を感じます。

働く環境を重要視する人は多いのですね。オフィスが変わることでさらなる会社の成長に繋がるということを感じました。

インタビューをしてみて…

お話を伺い、プレゼンに向けたプランニング時からお客様が実際に使用されることを想像して、意匠面・機能面共に細部まで配慮したご提案をされていると感じました。
その実現のために、できる限りのことを尽くしていることも知る”とができました。
照明の位置の調整や造作テーブルなど、その場で調整しながらでしか決められないことも多く自分にもできるようになるのかな、ということが率直な感想です。
担当の先輩と私は同じチームですが、お客様だけでなく一緒に働く私たちへも心を配り、感じたことを言葉にしてくださる温かい方です。お客様のことを思った一つひとつのこだわり、行動は必ずお客様はじめ、周りに伝わると思います。私も思いを形にできるよう日々先輩方を見て学び、行動に移していきたいです。

短期間での構築プロジェクトだったとお聞きしましたが、その中でも妥協せず空間を作る要素一つ一つにこだわりを持って形にしたことをインタビューを通して知ることができました。
また、お客様の求めていることを正しく汲み取って形にしていくには密なコミュニケーションが必要だと思います。普段から何気ないことで話しかけてくださったり、気にかけて話しかけてくださったりする先輩だからこそ、お客様もコミュニケーションを取りやすかったのではないかと思います。
私は入社して数か月の新人ですが、デザインに必要なスキルや知識以外に人間力という面でも学べることがたくさんあるので、先輩方から吸収して成長していきたいと思います!

ファシリティデザイン部
この記事を書いた人
オフィス・ラボ担当者
ファシリティデザイン部

FD部メンバー。オフィスのレイアウトからデザイン、什器備品の提案まで幅広くご対応させていただきますので、お気軽にお声がけいただけますと幸いです。