昨今のコロナ禍の影響もあり、ビジネスシーンでも、非対面で実施できるウェビナーや動画配信が急速に広まりました。感染症対策ができるだけでなく、場所に関係なく参加してもらえる・移動の手間が省ける・広い会場の必要がないなど、数多くのメリットがあるのも事実です。
ただし、ウェビナーや動画配信を行うためには、さまざまなツールや機材がなければ成立しません。映像を広く共有するためのアプリケーションはもちろん、撮影に適した環境が必要です。
本記事では、実際に自社オフィスでウェビナーや動画配信を行うにあたり、押さえておきたいポイントを解説していきます。
自社オフィスを使えば融通が利きやすい
もし動画用の機材が揃っていない場合には、ウェビナー専用の会場を借りるなどの方法も可能です。最近では動画撮影用の貸しスペースもあり、必要に応じて利用するのも1つの手でしょう。
しかし、仮にウェビナーや動画を活用する頻度が高くなるのであれば、毎回レンタルするには手間もコストも掛かってしまいます。
一方、自社オフィスでの運用にしておけば、いつでも便利にウェビナーや動画を取り入れていくことが可能です。具体的には、次のようなメリットが考えられます。
いつでもすぐに開催できる
わざわざ場所を手配する必要がないので、急な案件の場合でも、フレキシブルに対応しやすいのが利点です。もしレンタルしなければならない状態だと、いざというときに近隣に借りれる場所が見つからなかったり、あったとしても予約が埋まっていたりなどのトラブルも想定されます。
自社オフィスで常にウェビナーや動画の撮影ができるようにしておけば、いつでもスピーディーに応じることが可能です。
空いた時間で撮影が進められる
前項目でも出てきたように、いつでも自社オフィスで撮影できるようにしておけば、空いた時間を有効に使いやすくなるメリットもあります。外部に場所を借りる必要がなければ、移動や予約も要らないので、都合の良いタイミングで撮影することが可能です。
例えば配信用の動画であれば、合間を縫って少しずつ撮影を進めるなどもできるでしょう。自社オフィス内に撮影環境が整っていることで、より柔軟に動画を活用していけます。
あらゆるシーンで動画を取り入れられる
自社オフィスで動画が撮りやすい状態にあれば、例えば社員教育・顧客向けのプレゼン・社内の会議など、幅広いシーンに使えます。いつでも動画が活用できるからこそ、対面の代替にする機会も自然と増えていくでしょう。
そうする中で撮影の豊富なノウハウの蓄積にもつながっていくため、動画を取り入れるアイデアを拡張していける効果にも期待できます。
自社オフィスでの実施する際には十分な準備が不可欠
ここまでにご紹介してきたように、自社オフィスでのウェビナーや動画撮影の実施には数々の利点があります。ただ一方で気を付けておきたいのは、万全の撮影環境を作っておかなければならない点です。
映像で発信するからこそ、例えば音声が途切れてしまう・画面が固まるなどのトラブルには、あらかじめしっかりと対策しておくことが重要。十分に準備をしておかないと、たとえ良質なコンテンツであっても、観ている人にうまく伝わらなくなってしまう可能性があります。
場合によっては中身ではなく、映像の質が原因で閲覧者が離脱するケースも珍しくありません。もちろん内容も大切ですが、そもそも参加者に不快感を与えない配慮も不可欠です。
自社オフィスでのウェビナーや動画撮影には専用スタジオを使おう
前述に出てきたような課題を解消するには、自社オフィスの中で、専用のスタジオを用意するのがおすすめです。では専用スタジオを設けることで、実際にどのような効果が見込めるのか、次から詳しく見ていきましょう。
好印象な映像にできる
動画の閲覧者にとって、画質はとても重要です。例えば途中で資料が出てきた場合に、映像が不安定だとなかなか頭に入ってきません。そこで専用のスタジオを作っておき、通信が安定するネットワークや出演者の顔が明るく見える照明など、しっかりと環境を整えることで印象が良くなります。
内容が伝わりやすくなる
ウェビナーや動画配信で気になるのは、やはり音声です。余計な雑音が入っていたり聞こえにくかったりしていては、動画に集中できません。内容自体も正しく伝わらない可能性があるので、専用のスタジオで音響面も万全にしておくことで、より質の高い動画撮影ができます。
また、通常の業務スペースだと、周囲の話し声や電話の音が入ってしまい、閲覧の妨げになってしまうことも。こうしたノイズを避けるためにも、なるべく隔離された専用のスタジオを用意しておくと良いでしょう。
手配の手間が省ける
先ほども出てきましたが、そもそもオフィス内に動画が撮影できる場所があれば、レンタルスペースの手配も必要ありません。また備品が社内に揃っていたとしても、仮に毎回倉庫に片付けなければならない状態だと、毎回出し入れしたり設置したりするのは大変です。
ただし、専用のスタジオを用意しておき、必要な機材をすぐにでも出しやすくしておけば、準備の手間も省けるようになり、いつでもスムーズに撮影に取り掛かれます。
スペースの有効活用につながる
テレワーク化が進んでいる状況もあり、リモート勤務やオンラインでのやり取りが増えたことで、会議室などのスペースが余っているかもしれません。そうしたケースでは、専用のスタジオを設けることで、余分になってしまっている空間の有効活用につながります。使用頻度が低くなった分をスタジオとしてリフォームすれば、コストの無駄も減らせるでしょう。
自社オフィスの動画用スタジオを作るためのステップ
ここからは、自社オフィスに動画専用のスタジオを設置する場合に、より有効なものにするために必要な手順をご紹介していきます。
運用の方向性を固める
まずはスタジオをどう活用していくのか、ある程度のプランを立てておくことが大切です。
例えば大まかに何名までの出演者を想定しているのか・配信の中で動画を使うことはあるのかなど。必要な機材を用意するためにも、あらかじめ具体的な使い方も考慮しておくのが無難でしょう。
また、スペースの利用方法についても、仮に会議室なら対面のミーティングとの併用の仕方なども、事前に検討するのがベストです。
撮影・配信に向けた内装・機材を揃える
自社オフィス内にスタジオを設けることが決まれば、当然ながら機材を揃えていく段階に入ります。
カメラ・マイク・ミキサー・照明・グリーンバックといった、さまざまな機材を必要に応じて整えていかなければなりません。その他にも、例えば座談会形式にするならマイクスタンド・椅子・テーブルなど、前項目で決めた方向性に沿って、何を用意すべきなのか洗い出していくと良いでしょう。
その中でもオフィス内での撮影スタジオとなると音の問題も関係してくるため、内装材や吸音パネルなどを選定する必要性があります。
検証と改善を繰り返す
実際にスタジオが使えるような段階になったら、どう活用するのがベストなのか検証していきます。ただ作りっぱなしにするのではなく、動画を撮影するときに困ったことはないか、きちんと結果を見ていくことも重要です。例えばピンマイクがあった方が音声を拾いやすいなど、その都度改善点を確認しながら、今後の対応を検討していきます。
自社オフィスの動画用スタジオを効果的に使うための注意点
では実際にスタジオを運用するにあたって、効果的に使うために気を付けたいポイントについても見ていきます。
フレキシブルに動きやすい体制にする
動画専用のスタジオを設ける際には、完全に撮影だけで使えるのであれば問題ありませんが、何か別の業務スペースと併用する場合もあるでしょう。そうなると必要に応じて機材や備品を移動させなければならないので、あらかじめ動きやすくしておくのがベストです。
例えばテーブルや椅子などの什器はキャスター付きにするなど、簡単に運びやすい状態にしておくと良いでしょう。
誰が使うのか明確にしておく
動画の撮影に使う機材はいくつもありますが、それぞれの機能性はもちろん、操作性にも配慮した方が無難です。撮影などの機材に詳しい担当者だけが利用するなら問題ないかもしれませんが、幅広く活用すると考えるのであれば、なるべく操作が分かりやすくないと不便に感じてしまうでしょう。
場合によってはスタジオにマニュアルを備え付けるなど、状況に応じて工夫が必要です。
定期的に機材をチェックする
自社オフィスにスタジオを設置したら、当然ながら必要な備品の管理も不可欠です。特に使用する機材は、定期的に正常に動くかチェックしておかないと、撮影したいときにスムーズに進まなくなってしまいます。いざというときに不備があっては、せっかくのいつでもすぐ利用しやすいメリットが活かされなくなってしまうでしょう。
例えば毎回の撮影後にメンテナンスを行うなど、事前にトラブルを防ぐための対策も考慮しておきます。
自社オフィスを使えばさまざまなコストが省ける
自社で動画が撮影できる環境を整えるには、さまざまな準備が欠かせません。専用のスタジオを設置するにも、万全の体制にするためには、最初はかなりの費用が掛かります。
しかし、長い目で見れば、幅広いシーンで動画を活用することで、本来なら必要だった人件費や会場費の削減につながっていくでしょう。
また、自社オフィスで柔軟に撮影しやすい状況を作っておけば、よりウェビナーや動画配信に関する業務が活性化される効果も期待できます。今後社内で積極的に動画を使っていたいのであれば、専用のスタジオを設けることもぜひ検討してみてください。